ストーリー

 

子どもの頃から

手でなにかつくるのが好きでした。

 

記憶にあるのは保育園の頃

母親が入院してお見舞いに行った時のことです。

 

一日中ベットの上にいる母を楽しませようと

割りばしに自分が描いた絵を張り付けて人形をつくり

ひとりで人形劇をしたのです。

 

母がどんな反応をしたかは忘れてしまいましたが

「やったぞ!」という満足感が心に残っています。

 


 

そのあとずっと

「絵をかくのが好きな子」

として生きてきた私に転機が訪れました。

 

10代前半の頃

「私の絵は人真似じゃないか」

「人の真似を上手にできて『うまい』と言ってよろこんでる」

「そんなのつまらない」

と思ったのです。

 

自分自身にとてもがっかりして

それから2年くらい絵を描かずに過ごしました。

 

そのあいだ大切にしていたのは、言葉で表現することでした。

 

自分の内側にある形のないものを

人に伝わる言葉で表現すること。

ひとつひとつの言葉を吟味して、

何度もフィルターにかけてから外に出します。

その頃の私は言葉を選びすぎてずいぶん無口でした。

 

感じていることの形をなぞること、伝わる表現を吟味すること、

それは形を変えて今でも続いています。

 


 

家族や親しい人のあいだだけで出していた自分の世界を

だんだんと外に出していくようになります。

20歳前後の頃からでした。

 

通信をつくって配ったり、作品を販売したり、

審査される場に出したり。

 

そこで分かったことは

自分らしさの持つ力と、

表現したことは人に伝わるということ。

 

人は仲間を求めたり、優しくしてほしいとき、

一生懸命自分を周りの世界に似せよう、なじませようとします。

周りがそれを求めているようにすら感じることも。

 

けれど世界が求めているのはいつも、人がその人らしくあることです。

 

取り換えのきく誰かではなく、かけがえのない一人を求めています。

 

 


 

 

私が私であること、あなたがあなたであること、

作品や関わることを通して尊重しあえたら

とても嬉しく思います。 

 

 

2017年初冬

atelier yoo

よしはらかおり